名古屋大学 農学部 資源生物科学科
大学院生命農学研究科
Graduate School of Bioagricultural Sciences, Nagoya University
植物病理学研究室
Plant Pathology Laboratory
活性酸素・活性窒素の植物病害抵抗性における役割
参考文献 (Link)
Monjil (2013) Nitric oxide 29: 34-45.
Kato et al. (2013) Phisiol. Plant. 148: 371-286
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道家紀志 (2005) 生物と化学 43: 501-508.
植物と病原菌には寄生性の分化が存在し、ある病原菌は特定にの植物にのみ感染することができます。例えば右図のように、私達が研究材料としているジャガイモと疫病菌の関係においても、抵抗性品種は疫病菌に反応して様々な防御応答を発動し、自らを守りますが、罹病性品種は有効な防御応答を持たないため、病気にかかります。抵抗性を示した植物では、活性酸素(O2やH2O2など)や活性窒素(NOやONOOなど)の一過的な生成上昇が強く認められ、これら分子の生成が植物の抵抗性を発動すると考えられています。植物の生体内で産生される活性酸素・活性窒素は、その化学的反応性の高さゆえに潜在的に毒性を有する分子です。しかし一方で、生命現象の様々な局面において、これらの分子がシグナル伝達物質としての機能を持つことが近年明らかになってきました。しかし、植物の抵抗反応誘導において具体的にどのような標的因子に作用して様々な防御応答を誘導するのかはまだ解っていません。そこで、当研究室ではNOとO2-の各シグナルを介して情報伝達経路を解明し、両者の協調的作用の全容を明らかにすることを目指しています。