本来、植物は自然界にいる様々な微生物に栄養を収奪されない為に、抵抗性のメカニズムを持っています。それに対し、植物に病気を引き起こす病原性の微生物は、ある特定の種の植物の抵抗性を打ち破って感染し、その結果植物は発病します。

　例えばジャガイモの病原菌であるジャガイモ疫病菌Phytophthora infestansは、ジャガイモには激しい病気を引き起こしますが、同じナス科のタバコには病気を起こしません。また、ジャガイモの一部の品種は、特定の疫病菌菌株に対して強い抵抗性を示すことが知られています。

　このような植物が本来持っている微生物に対する抵抗性機構を理解すれば、そのメカニズムを応用して病気に強い作物を作ることが出来るかもしれません。そこで疫病菌に抵抗性である野生種タバコやジャガイモの抵抗性品種を用いて、病気への抵抗性に必須な遺伝子の単離とその機能解析を進めています。